クリニックの主な業務は、病気やケガに悩む患者さんを診察し、完治もしくは改善を目指すことです。
またNPS®向上をより意識するのであれば、クリニックでさまざまな商品を販売することも検討すべきです。
今回は、クリニックの物販におけるメリット・デメリットについて解説します。
【NPS®対策】クリニックの物販におけるメリット
クリニックで物販を行うメリットとしては、主に以下のことが挙げられます。
・経営が安定する
・患者さんのニーズに応えられる
・信頼関係を強化できる
各メリットについて詳しく説明します。
経営が安定する
健康食品やサプリメント、美容関連商品などを販売することにより、クリニックは診療報酬に依存しない収益源を確保できます。
また収益源の多角化により、経営が安定し、保険診療の診療報酬改定などの影響も受けにくくなります。
患者さんのニーズに応えられる
患者さんは、健康や美容に関する悩みを専門家である医師に相談し、自身に合った商品をクリニックで購入したいという潜在的なニーズを持っています。
そのため、クリニックが厳選した信頼性の高い商品を販売することで、NPS®向上につながります。
信頼関係を強化できる
患者さんの症状や体質に合わせた商品を医師が提案することで、患者さんは「寄り添った対応をしてくれる」と感じてくれます。
こちらは、患者さんとクリニックの信頼関係が深まり、NPS®が向上するきっかけになります。
【NPS®】クリニックの物販におけるデメリット
クリニックの物販は、経営面でも患者さんとのコミュニケーションにおいてもメリットがありますが、一方で以下のようなデメリットもあります。
・法律などの規制がある
・専門外の知識が必要になる
・業務が増える
・クレーム対応や責任問題のリスク
各デメリットについて詳しく説明します。
法律などの規制がある
クリニックが物販を行うには、医療法における非営利性の原則を守る必要があります。
また何を治療に用いるかは医師の裁量に委ねられていますが、販売方法によっては広告規制に抵触することも考えられます。
さらに医薬品の販売には、別途医薬品販売業許可が必要になるケースもあります。
そのため、すぐに物販を始められるかというと、少し疑問が残ります。
専門外の知識が必要になる
クリニックが物販を行う場合、専門外の知識を得なければいけません。
例えば商品の選定や在庫管理、広告や会計処理など、通常の医療業務とは異なる専門的な知識や労力が必要になります。
こちらも、すぐ物販を始めるのが難しい理由です。
業務が増える
物販を実施する場合、単純にクリニックの業務は増加します。
特に事務作業が増えるため、人員が不足しているクリニックはとても多忙なスケジュールになるリスクがあります。
また物販に注力しすぎるあまり、本来の診療業務がおろそかになり、サービスの質が低下してNPS®も下がってしまうことが考えられます。
さらに患者さんにあれこれ商品を紹介しすぎると、利益追求の色が強まり、信頼関係に影響を与える可能性もあります。
クレーム対応や責任問題のリスク
クリニックには診療内容や態度などに関するクレームが入ることがありますが、物販を行う場合はそのリスクがさらに増大します。
また販売した商品が原因で健康被害が発生した場合も、クリニックが責任を問われることが考えられます。
まとめ
クリニックの経営を安定させ、なおかつ患者さんのNPS®を向上させる工夫として、物販は良い選択肢です。
しかし、簡単に売上やNPS®を向上させられる方法ではありませんので、導入を検討する場合は注意してください。
また物販に関する意見などが聞きたい場合は、直接患者さんの現状のNPS®や要望を知ることができるE-Pサーベイを活用しましょう。
こうすることで、よりニーズに合った商品の導入が可能になります。