クリニックでは、患者さんに対し、接遇と呼ばれる接客よりもワンランク上の対応をすることが望ましいです。
しかし、どれだけ丁寧な対応を心掛けていても、クレームを完全に排除することはできません。
今回は、NPS®対策として、クリニックのクレーム対応で記録を残すことのメリットを解説します。
【NPS®】クリニックのクレーム対応で記録を残すメリット5選
患者さんのクレーム内容を記録に残すことには、以下のようなメリットがあります。
・後々適切な対応ができる
・二重対応を防止できる
・話を傾聴しているアピールができる
・他の患者さんの満足度向上につながる
・業務効率が上がる
各メリットについて詳しく説明します。
後々適切な対応ができる
患者さんのクレーム内容を記録しておくことで、後々その患者さんに対し適切な対応ができる可能性が高いです。
こちらはNPS®の向上につながります。
クリニックのクレームは、最初に対応した従業員がその場で解決できるとは限りません。
他の従業員や院長先生に確認しなければ、解決できないこともあります。
このような場合に患者さんのクレーム内容を細かくメモしておくことで、後々対応にあたる際、前もってベストな提案を準備することなどができます。
二重対応を防止できる
患者さんのクレーム対応で記録を残すメリットとしては、二重対応を防止できることも挙げられます。
二重対応とはクレームを入れた患者さんに対し、その理由や要望について二重で質問してしまうことをいいます。
患者さんからすれば、「また説明しなければいけないのか」ということになり、こちらはNPS®を低下させるおそれがあります。
また記録を残していないと、従業員間で情報が共有できず、二重対応が起こりやすくなります。
話を傾聴しているアピールができる
患者さんのクレーム内容を聞きながら、適宜相槌を打ってメモを取ることで、話を傾聴しているアピールができます。
こちらは患者さんの心象を良くし、NPS®を向上させられる可能性があります。
特にクレームの核心部分については、メモの文字を使って事実確認を行い、患者さんと事実を共有しましょう。
また患者さんに見えるように、大きな文字でメモを取れば、より真摯に対応していることが伝わります。
他の患者さんの満足度向上につながる
患者さんのクレームを記録することにより、他の患者さんの満足度やNPS®を向上させられる可能性もあります。
なぜなら、クレームを入れた患者さんの意見を素直に受け止め、次の接客に活かせる場合があるからです。
クレームというと理不尽な内容というイメージが強いですが、当然完全にクリニック側に落ち度がある場合もあります。
例えば従業員の態度が悪かったり、患者さんに間違った情報を伝えたりしてしまった場合です。
このようなクレームについては苦情と考えず、患者さんの貴重な意見として受け止めるべきです。
業務効率が上がる
患者さんのクレーム対応をする際、その内容を記録しておけば、後々のクリニックにおける業務効率はアップします。
逆に記録を残していないと、後々クレーム対応を引き継ぐときなどに時間がかかり、従業員の拘束時間は長くなってしまいます。
またクレーム対応に追われる従業員が出てくると、クリニックにおける他の業務の生産性も低下してしまうおそれがあります。
例えば院長先生が長い間クレームに対応していると、診察の待ち時間が長くなり、待合室の患者さんにおけるNPS®を低下させてしまうことが考えられます。
まとめ
クレームに対応する際は、単にその患者さんの不満を解消したり、怒りを鎮めたりするだけでは不十分です。
その患者さんひいては他の患者さんのNPS®を向上させるような対応ができて初めて、適切なクレーム対応ができたと言えます。
現時点で患者さんにどのような不満があるのかを理解したいのであれば、E-Pサーベイの導入も検討してください。