バリアフリーとは、高齢の方や障害のある方を含むすべての患者さんが、障壁なく通院しやすい環境のことをいいます。
さまざまな患者さんが訪れるクリニックでも、NPS®向上のためにバリアフリー化を進めなければいけません。
今回は、クリニックのバリアフリー化を進めることのメリットを中心に解説します。
【NPS®】クリニックのバリアフリー化を進めるメリット4選
クリニックのバリアフリー化を進めるメリットとしては、主に以下のことが挙げられます。
・患者層の拡大と集患効果
・安全性の向上
・施設の価値向上
・補助金、助成金の活用
各メリットについて詳しく説明します。
患者層の拡大と集患効果
バリアフリー化が進んでいるクリニックは、高齢の方や車椅子を利用する方、ベビーカーを利用する親子連れなども安心して来院できます。
そのため、必然的に患者層は拡大しますし、集患効果もアップします。
また「あのクリニックはバリアフリーで通いやすい」という口コミが広まり、さらに患者さんが増加することも考えられます。
安全性の向上
クリニックのバリアフリー化には、安全性の向上というメリットもあります。
段差の解消や滑りにくい床材の採用などにより、高齢の方や足元が不安定な方の転倒事故を防止できます。
また車椅子でもスムーズに移動できる広い通路やエレベーターがあれば、万が一の緊急時にも迅速に対応することが可能です。
施設の価値向上
施設の価値が向上することも、クリニックのバリアフリー化を進めるメリットです。
バリアフリー化に伴うリフォームは、施設の清潔感や快適性を向上させ、患者さんにとって居心地の良い空間をつくりあげます。
このような空間は、当然患者さんのNPS®を向上させることにも寄与します。
また施設の資産価値も高まることから、今後もし転居や廃業といったことがあった場合でも、高値で売却できる可能性が高まります。
補助金、助成金の活用
バリアフリー化を行うクリニックは、補助金や助成金を活用できることがあります。
バリアフリー化には、スロープの設置や段差解消、トイレの改修や手すりの設置など、さまざまな工事が必要になります。
そのため、まとまった費用が費用になりますが、国や地方自治体が設けている補助金や助成金制度を利用できれば、費用負担はある程度抑えられます。
【NPS®】クリニックをバリアフリー化する場合の注意点
クリニックのバリアフリー化には、NPS®向上を含むさまざまなメリットがありますが、注意しなければいけない点もいくつかあります。
まず、バリアフリー費用には補助金や助成金が活用できるという話をしましたが、実際にはバリアフリー化を行った後もメンテナンス費用が発生します。
こちらは基本的にクリニックが負担しなければいけないため、トータルの費用負担は大きくなる可能性があります。
また既存のクリニックの場合、バリアフリー化によって待合室や診察室などのレイアウトが制限されることも考えられます。
待合室や診察室など、患者さんがよく利用する場所が不便になると、かえってNPS®は低下してしまうおそれがあります。
特に待合室の過ごしやすさを重視する患者さんは多いため、注意しなければいけません。
さらに、既存のクリニックで大規模な改修工事を行う場合、工事期間中は休診しなければいけない可能性があります。
休診中は当然収益が下がるため、そのことも計算して工事を開始しなければいけません。
まとめ
クリニックの患者さんにおけるNPS®は、高品質の医療行為やサービスを提供するだけでなく、クリニックの環境を良くすることでも向上します。
そのため、バリアフリー化を行っていないクリニックは、ぜひこの機会に工事を検討してください。
また患者さんにどのような要望があるのか、現時点でのNPS®はどれくらいなのかを把握するには、E-Pサーベイを活用してください。