クリニックの接遇は、簡単にいうと接客のもうワンランク上のものです。
つまり接遇なくして、患者さんからの信頼は得られないということです。
また患者さんのNPS®向上につながる接遇は、クリニックにおけるベースの環境と従業員の意識によって実現できます。
今回はこれらの詳細について解説します。
【NPS®対策】ベースの環境について
ベースの環境とは、名前の通りクリニックの接遇のベースとなる、院内の環境のことを指しています。
適切な接遇、NPS®の向上を目指すためには、以下の3つの環境を整えることが必要不可欠です。
・院長先生の理念や方針に共感している
・院内のコミュニケーションが良好
・従業員がやりがいを感じている
院長先生はクリニックのリーダーであり、それを見て育つのが従業員です。
そのため、まずは院長先生の理念や方針について、従業員が共感していることが大切です。
ここでいう理念や方針とは、院長先生がクリニック経営においてもっとも大事にしているテーマを指しています。
例えば“患者さんに安心と信頼を与える”、“丁寧で思いやりのある対応をする”といったものです。
また院内のコミュニケーションについても、クリニックにおけるベースの環境づくりには必要なものです。
院長先生と従業員間のコミュニケーションはもちろん、従業員間のコミュニケーションも活発になることで、患者さんのことをはじめとするさまざまな情報を共有できます。
もちろん、常にコミュニケーションを取り合っていれば、従業員一人では解決できない問題も迅速に解決できる可能性があります。
こちらは、時にNPS®の向上に大きく寄与します。
さらに、従業員がやりがいを感じるような環境作りも心掛けなければいけません。
従業員は、院内において正当な評価を受けていることや、十分な給料を受け取っていることなどにやりがいを感じます。
その他、患者さんとの関係がうまくいっていることでも、クリニックの従業員という仕事にやりがいを感じやすくなります。
つまりNPS®の向上は、患者さんだけでなく従業員にとっても大きなメリットだということです。
【NPS®対策】従業員の意識について
クリニックの接遇では、上記の環境に加え、以下のような従業員の意識も必要になります。
・「接遇レベルを向上させたい」という意識
・接遇の重要性を理解している
・「院長先生とともに頑張りたい」という気持ち
どれだけ院長先生がベースの環境を整えても、従業員本人に「接遇レベルを上げたい」という気持ちがなければ意味がありません。
このような意識は、ベースの環境を整備することで少しずつ高まっていきます。
また接遇の重要性について理解していることも、接遇をするには必要不可欠です。
接遇はNPS®の向上の他、クレームやトラブルの減少、医療の質の向上、集客数の増加といったさまざまなメリットをもたらします。
そのため、院長先生は接遇の重要性について理解させるために、院内セミナーなどを開くことが望ましいです。
さらに「この院長先生とともに頑張りたい」と、従業員に思ってもらうことも大切です。
院長先生が従業員から信頼されるようになるには、まず自身が接遇の意識を強く持ち、行動で示していく必要があります。
もちろん、各従業員の意見を尊重して理解を示すことや、コミュニケーションの円滑化に取り組むことも重要です。
クリニックの場合、従業員のキャリアとスキルアップを支援することも、信頼関係を築くためには必要なことです。
まとめ
院長先生は接遇からのNPS®向上を目指すとき、ベースの環境と従業員の意識に分けて考え、少しずつ適切な土台を整えていきましょう。
環境に問題あれば従業員の意識は向上しないですし、従業員に問題があればベースの環境は崩れてしまいます。
また接遇を意識するにあたって、患者さんが何を求めているのか明確にしたい場合は、E-Pサーベイを活用することをおすすめします。