マイナ保険証は、マイナンバーカードを健康保険証として利用する仕組みです。
2021年10月から本格運用がスタートし、現在ではほぼすべてのクリニックが対応しています。
今回は、患者さんのNPS®向上の観点から、クリニックがマイナ保険証に対応するメリットについて解説します。
【NPS®対策】クリニックがマイナ保険証に対応するメリット4選
クリニックがマイナ保険証に対応するメリットは主に以下の通りです。
・より良い医療を提供できる
・高額療養費制度の負担を軽減できる
・受付がスムーズになる
・医療費控除の手続きを自動化できる
各メリットについて詳しく説明します。
より良い医療を提供できる
NPS®向上の観点から見たマイナ保険証対応のメリットとしては、患者さんにより良い医療を提供できることが挙げられます。
患者さんはマイナ保険証を利用する際、薬や健診結果の提供に同意することで、総合的な診断や重複する投薬を回避した適切な処方を受けられます。
こちらは患者満足度、NPS®の向上につながるものであり、クリニック側の医療行為における負担を軽減することにもつながります。
つまり、患者さんだけでなくクリニックにとってもメリットのある制度だということです。
高額療養費制度の負担を軽減できる
クリニックがマイナ保険証に対応すれば、患者さんにおける高額療養費制度の負担を軽減できます。
こちらもNPS®向上につながるメリットです。
高額療養費制度は、クリニックなどで支払った金額が1ヶ月で上限額を超えたとき、その超えた分を支給する制度です。
こちらは従来、患者さんが医療機関で支払いを済ませた後、支給申請書を提出しなければいけませんでした。
また事前に限度額適用認定証を申請すれば、窓口負担を上限額に抑えられますが、間に合わなければ一旦高額な費用を支払う必要がありました。
マイナ保険証があれば、患者さんはこれらの手続きを行うことなく、公的医療保険が適用される診療については限度額を超える分を支払う必要がなくなります。
そのため、クリニックはNPS®や集患数を大きく伸ばせる可能性があります。
受付がスムーズになる
クリニックがマイナ保険証に対応することで、受付業務がスムーズになります。
こちらも患者さん側、クリニック側両方のメリットです。
窓口に顔認証付きカードリーダーを設置することで、マイナ保険証のICチップから読み取った情報と顔写真を照合し、自動で本人確認ができます。
加入している健康保険の内容、本人確認を非接触で行えるため、患者さんはほとんど待つことなく受付を済ませられます。
クリニックにおける待ち時間は、少しでも減らす方がNPS®の向上につながるため、こちらは大きなメリットだと言えます。
医療費控除の手続きを自動化できる
患者さんが医療費控除の手続きを自動化できることも、NPS®の観点から見たマイナ保険証対応のメリットです。
これまで医療費控除の手続きは、クリニックの領収書が必要でしたが、マイナポータルから自動転記した医療費については領収書の保存義務がありません。
そのため患者満足度やNPS®の向上が期待でき、クリニックは患者さんと領収書関連のトラブルが起こるリスクを減らせます。
ただしマイナンバーカードを持っていても、保険証と紐づけができていなければ、自動で医療費控除手続きをすることはできません。
クリニックは、その旨について患者さんに伝えておくことが望ましいです。
まとめ
クリニックがマイナ保険証に対応すれば、患者さんにさまざまな恩恵を感じてもらうことができます。
またそれは患者さんにとってのメリットであり、NPS®の向上や集患数の増加が期待できるという意味では、クリニックのメリットでもあります。
そのため、クリニックはマイナ保険証の積極的な利用を患者さんに促し、メリットを得られるように工夫することが大切です。