クリニックを訪れる患者さんの中には、高齢の方やケガをしている方などが多く訪れます。
またこのような方々の中には、車椅子で来院される方も多いです。
車椅子の患者さんに適切な対応をすることにより、その患者さんのNPS®は向上する可能性があります。
今回は、基本的な対応方法のポイントについて解説します。
【NPS®対策】車椅子の患者さんへの対応方法4選
クリニックに車椅子の患者さんが訪れたときには、以下の点を意識しながら対応することが望ましいです。
・同じ目線で会話する
・正しい手順で動かす
・ゆっくり移動させる
・移動時以外はブレーキをかける
各項目について詳しく説明します。
同じ目線で会話する
車椅子の患者さんのNPS®を向上させるためには、同じ目線で会話することを意識しましょう。
立った状態のまま話しかけると、上からの目線になってしまい、威圧的な印象を与えてしまうことがあります。
また目線を合わせるときは、上半身を傾けるようにするのではなく、膝を曲げてしゃがむのが理想的です。
上半身を傾けるだけだと、目線は低くなるものの、上の角度から話しかけていることに変わりはありません。
正しい手順で動かす
患者さんの車椅子を動かす際は、正しい手順を踏むことでNPS®の向上が期待できます。
具体的には、まず車椅子の真後ろに立ち、グリップ(手押しハンドル)を両手でしっかりと握ります。
その後、しっかりとフットサポートに足が乗っているかどうかを確認します。
また車椅子を移動させるときは必ず「動きます」と声をかけ、前後左右を確認した上で動かしましょう。
ゆっくり移動させる
患者さんの車椅子は、思っている以上にゆっくりと移動させなければいけません。
なぜなら車椅子の場合は目線が低くなるため、普通に歩くよりも速度が速く感じるからです。
特に歩くのが速い従業員は、そのまま車椅子を押してしまうとかなりのスピードを体感させてしまうことになり、こちらはNPS®の低下につながりかねません。
また速く移動すると、車椅子で段差を通過したときの振動が大きくなり、とても危険です。
移動時以外はブレーキをかける
患者さんの車椅子を移動させるとき以外は、必ずブレーキをかけておかなければいけません。
ブレーキをかけるタイミングとしては、エレベーターホールやエレベーターの中、受付の前などが挙げられます。
ブレーキをかけていない場合、少し手を離した隙に車椅子が動いてしまい、大きな事故につながるおそれがあります。
特に少し勾配があるスペースでは注意が必要です。
もちろん手を離さないことが絶対条件ですが、万が一に備えて先手を打っておくことが大切です。
車椅子の患者さんにとって良い環境を整えるのも大切
クリニックは車椅子の患者さんに適切な対応を取るだけでなく、クリニックの環境そのものを変えることも意識しましょう。
つまりバリアフリー化の意識です。
例えばエントランスに大きな段差があったり、2階以上にもかかわらずエレベーターがなかったりすると、患者さんのNPS®は低下します。
また車椅子の方は段差だけでなく、通路やスペースでも不便さを感じることがあります。
具体的には、診察室に入るときに通路が狭く車椅子が入らない場合や、待合室が狭く車椅子で待つスペースがない場合などです。
このようなクリニックは不便な印象を与えてしまい、次回から来院してもらえない可能性も高いため、注意が必要です。
まとめ
クリニックのNPS®は、なかなか簡単に向上させることはできません。
その一方で、わずかな不注意やミスによって簡単に低下します。
そのため、車椅子の患者さんだけでなく、すべての患者さんに対して良質なサービスを提供しましょう。
患者さんのNPS®や、求めているサービスについて把握したいというのであれば、E-Pサーベイなどのツールを使用することをおすすめします。