クリニックの主な業務は患者さんの病気やケガに関する診察を行い、適切な治療を行ったり、薬を処方したりすることです。
また、クリニックの受付や待合室において、物販を行うこともできます。
今回は、NPS®対策の一環として、クリニックの物販におけるポイントを解説します。
クリニックの物販は可能なのか?
結論からいうと、クリニックで物販を行うことは可能です。
ただし、実践するには付随業務として認められなければいけません。
クリニックは医療法上、医業の範囲内の行為しか行うことができません。
医業の範囲内とは、医療行為そのものや医療行為に付随する行為(付随行為)を指しています。
物販そのものは医療行為ではないため、医業の範囲内となるには、付随行為に該当する必要があります。
例えば、患者さんのための物販、療養の向上を目的とした物販であれば、クリニックはNPS®対策としての物販を行えます。
逆に幼い患者さん向けのおもちゃなどは、付随業務に該当しないため、クリニックでは販売できません。
NPS®対策として販売できる商品
NPS®対策としてクリニックで販売できる商品には、主に以下のようなものが挙げられます。
・健康食品
・化粧品
・口腔ケア商品(歯科クリニックの場合) など
前述した付随業務として認められる主な商品は、患者さんの健康や療養につながる健康食品です。
また美容クリニックなどは化粧品、歯科クリニックは歯ブラシや歯磨き粉などの口腔ケア商品を販売するのも一つの手です。
ネット販売はできない
クリニックではNPS®対策として医業の範囲内で物販を行えますが、こちらはあくまで院内で販売を行う場合に限ります。
そのため、ネットでの物販は行えません。
ネット販売については、対象者が患者さんに限定されない不特定多数への販売行為にあたります。
不特定多数への販売行為は、医療行為の付随業務として認められていません。
近年ネットでの買い物の市場はますます拡大し、物販の市場規模全体の3割以上に相当する金額になっているというデータがあります。
つまり、多くの患者さんはネット販売を望んでいるということですが、ニーズに応えるためであれば法に触れても良いわけではありません。
クリニックにおける物販のメリット
クリニックが物販を行うことにより、既存の患者さんのエンゲージメント(深いつながりを持った関係性)が強化されます。
つまり、NPS®が向上するだけでなく、新規顧客の流入減も補えるということです。
また商品を販売することで、医療行為やサービス面だけで得ていた売上の他に、物販による売上も獲得できます。
売上がアップすれば、その分クリニックはさらにサービスを充実させられるため、さらなるNPS®向上も期待できます。
さらに、商品の内容が魅力的であれば、口コミ効果で新規顧客を獲得することにもつながります。
患者さんへの商品の勧め方
クリニックが物販を行う場合、ある程度患者さんに認識してもらったり、購入してもらったりするための工夫が必要です。
しかし、一方的に商品を勧めると、「押し売りされた」「買う気がなくなった」というマイナスなイメージを与えてしまいます。
そのため、クリニック側は患者さんが何を必要としているのか、しっかり観察して理解することが大切です。
例えば治療を効率良く行いたい患者さんには、成分の組み合わせの良いものを提案することで、心象を悪くせずなおかつ商品を購入してもらえる可能性があります。
まとめ
クリニックの物販は、NPS®対策として積極的に採り入れるべきです。
場合によっては、既存顧客・新規顧客の両方にアプローチできますし、何より他のクリニックとの差別化が図れます。
また、患者さんが求めている商品の内容については、直接アンケートを取ることをおすすめします。
その際には、初めての方でも利用しやすいE-Pサーベイを活用してください。