クリニックには、傘を差した患者様が訪れることもあります。
そのために、クリニック側は傘立てを用意しますが、傘立てだけでは盗難や紛失のリスクがあり、こちらがトラブルやNPS®の低下につながるおそれがあります。
今回は、クリニックにおける傘の盗難、紛失対策について解説します。
【NPS®対策】クリニックが実施すべき傘の盗難、紛失対策
クリニックはNPS®対策として、傘立ての設置以外にも、以下のようなことを実践すべきです。
・傘袋の設置
・鍵、暗証番号付き傘立ての設置
・個人識別用グッズの設置
・防犯カメラの設置
・レンタル傘の提供
傘袋の設置
濡れた状態の傘を傘立てに立てるのではなく、使い捨ての傘袋を用意し、院内に持ち込んでもらうことで、常に患者様が傘を持った状態になるため、盗難のリスクは減少します。
ただし、患者様が院内に傘を忘れてしまう可能性があるため、出入口付近には「傘の忘れ物にご注意ください」といった張り紙をしておくことをおすすめします。
鍵、暗証番号付き傘立ての設置
鍵もしくは暗証番号が付いた傘立てを設置すれば、施錠した患者様本人しか傘を持ち出すことができないため、盗難やそれに伴うNPS®の低下は、ほぼ確実に防止することができます。
個人識別用グッズの設置
個人識別用グッズとは、傘立てにある傘がその患者様の持ち物であることについて、識別することができるグッズのことをいいます。
例えば、同じ番号が記載された2枚の札を用意し、1つを傘につけ、もう1つを患者様に持ってもらうことにより、誤って他の患者様の傘を持って帰ることを防止できます。
防犯カメラの設置
盗難を防ぐために有効な手段としては、防犯カメラの設置も欠かせません。
傘立てとそこに立つ人の顔が良く見えるような位置に防犯カメラを設置すれば、盗難が発生した場合でも、警察に情報を提供しやすくなりますし、このような迅速な対応がNPS®向上につながることもあります。
ちなみに、実際防犯カメラを設置していなくても、「防犯カメラ作動中」という看板や張り紙を用意したり、ダミーカメラを設置したりすることで、盗難の抑止力になります。
レンタル傘の提供
クリニック側で、レンタル用の傘を数本用意しておくことで、患者様における盗難のリスクはなくなりますし、患者満足度やNPS®の向上にもつながります。
もちろん、患者様がレンタルした傘をクリニックに返却し忘れる可能性はありますが、こちらはクリニックのNPS®が低下することにはつながらないため、消耗品という認識で提供することをおすすめします。
傘の盗難に伴うクリニック側の責任について
クリニックに設置された傘立ての傘が盗難された場合、クリニックは患者様に対し、責任を負わなければいけないのでしょうか?
結論からいうと、クリニックはこれといって責任を負う必要はありません。
商法第594条には、営利を目的とする施設、つまり飲食店などにおいては、傘の盗難について、損害賠償などの法的責任が発生すると記載されています。
一方、クリニックは非営利法人であるため、こちらの法的責任は発生しません。
しかし、だからといって、一切対策を取らなかったり、患者様の訴えに応じなかったりすると、患者満足度やNPS®が低下することは避けられないため、注意しなければいけません。
もちろん、このような評判は、患者様からその家族や友人、知人に広まることも考えられます。
まとめ
ここまで、クリニックのNPS®対策の一つとして、傘の盗難、紛失対策について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
クリニックは、常に患者様の立場になり、どのようなことが喜ばれるのか、安心を与えるのかについて考える必要があります。
また、患者様における最新の意見を反映させるためには、E-Pサーベイなどのツールを活用し、さまざまな声を集めることをおすすめします。
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