NPS®は、患者様を推奨者、中立者、批判者という3つのカテゴリに分けるために、11段階での回答を求めたり、最終的に推奨者の割合から批判者の割合を引いてスコアを算出したりと、さまざまな数字が関係しています。
今回は、これら以外のNPS®に関するさまざまな数字について解説したいと思います。
NPS®に必要なサンプル数について
クリニックがNPS®スコアを正確に計測するためには、一定以上の回答数が必要になります。
また、統計学的な観点からいうと、上下5%以内の精度でスコアを計測するには400以上のサンプル、上下2%以上の精度とするには2,000以上のサンプルが必要とされています。
つまり、サンプル数が多ければ多いほど、スコアの精度を高めることができるということです。
ちなみに、取り扱う医療やサービスの数が多いクリニックは、より多くのサンプル数が必要になることもあるため、できる限り多くの患者様に回答してもらうに越したことはありません。
NPS®の普及率について
NPS®は、クリニックを含む医療業界だけでなく、他にもさまざまな業界で採用されています。
デジタルマーケティングの大手企業である『IMJ』が実施した統計調査によると、2018年時点の日本におけるNPS®普及率は10.1%であり、こちらは2016年時点のデータと比べると、1%増加しています。
また、現在はさらに普及率がアップしていることが予想されますが、類似する指標である顧客満足度調査の普及率が50%(2018年時点)を超えていることを考えると、まだまだ発展途上の指標だと言えます。
ちなみに、欧米においては、売上上位企業の3割以上がNPS®を採用しているとされています。
NPS®のアンケート回収率について
先ほど、NPS®におけるサンプル数の目安について解説しましたが、400人の患者様にアンケートを依頼したからといって、400のサンプルが回収できるとは限りません。
NPS®のアンケートには回収率というものがあり、こちらは概ね30%前後となっています。
また、最近はNPS®のみならず、アンケート全体の協力率がやや下がっている傾向にあるため、回収率は25%が現実的であり、30%はあくまで目標と考えるのが賢明だと言えます。
ちなみに、回収率が上振れ、下振れする場合でも、10~40%に収まるケースがほとんどです。
まとめ
ここまで、NPS®に関するさまざまな数字について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
NPS®調査を行う際は、前述したようなあらゆる数字を意識しながら、より自院の経営に活かすための方法を考えなければいけません。
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